ドクターXの独り言

転倒の危険と予防(その2)

 以前にもこのコラムで述べましたが、高齢者が寝たきりになる原因のもっとも大きなものとして、転倒による骨折があります。
 特に大腿骨頚部骨折は、寝たきりの原因となるばかりでなく、中にはこれが原因で肺炎などの合併症を併発してお亡くなりになることさえあります。大腿骨頚部骨折の5年生存率は50%という報告もあります。大腿骨頚部骨折の大きな原因にはパーキンソン病、アルツハイマー病などの基礎疾患の影響、年齢から来る骨のもろさ(骨粗鬆症)、もともと解剖学的に骨折を起こしやすい場所であり、また血流が少ないために治りにくい骨折であるなどの理由もあります。ただ、予防としては原疾患の治療、骨粗鬆症の治療も大切ですが、やはり転倒を防ぐというのがもっともも大きな予防法ではないでしょうか。
 高齢者が転倒しやすい原因について考えてみましょう。まず、筋力の低下、運動神経の低下から体が傾いたり、よろけやすいなどの症状があります。滑りやすい敷物や、スリッパをはいている。後ろから声をかけられたときに振り返って転んだ。床に落ちているものにつまずいて転んだ。危ないと思ったときに手すりがなかった。などがあげられます。では家庭でできる転倒に対する予防にはどのようなものがあるでしょう。もともと転びやすいのですから、転ばないようにすればいいのです。滑りやすい敷物は避ける、急な階段には必ず壁に手すりをつけたり、階段には滑り止めをつける。家の中の段差をなくする。これは浴槽などにも当てはまります。家の中ではスリッパは使わない。この中で注意していただきたいのは声かけです。お年寄りには正面から話しかけるように心がけてください。急に振り返っただけで転倒のみならず、腰痛さえ起こることがあるのです。
 このような改造については現在では介護保険から補助金が出るばあいもあります。手すりについてもつける場所については、適切な高さと位置があります。担当のケアマネージャー、主治医と相談されてはどうでしょうか。


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