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【松江天神町商店街のお年寄りに優しいまちづくり vol.02】
3つの重要ポイント、お年寄りさんの安心条件

      (協)松江天神町商店街 理事長 中村寿男

 
前回は「お年寄りにやさしいまちづくり」には3つの重要ポイントがある、というところまでお伝えしました。では、そのポイントとはどのようなことなのでしょう。それは

(1)交流の場があること。

 たとえば病院の待合室にお年寄りが集まり、話の花が咲くようですが、このようなお年寄りが集まりやすい施設(溜まり場)を、商店街の空き店舗を利用して設置することとなりました。これは市の福祉課の施策として行われました。そして、その年の平成11年7月の天神夏祭りには、その施設2軒が名称を「まめな館」と「いっぷく亭」としてオープンしました。運営は、商店街の負担にならないよう、また、この機会にお年寄りさんと商店街が対話できるように、老人会や社会福祉協議会などからなるメンバーで、「ふれあいプラザ協議会」を作り、運営することになりました。

(2)信仰の対象
 どこか先進例がないか、その年の5月には、商店街メンバーを中心に視察に出かけました。東京巣鴨の商店街「とげ抜き地蔵」を見学した時、お年寄りさんは、外出する時に「お墓参り」や神社・仏閣への「お参り」を兼ねること、また、出る口実にも「お参り」は重要な理由になることを知りました。しかし、振り返って見ると、天神町にはその信仰の対象が当時はありませんでした。
 「天神町街づくり委員会」で討議した結果、天神町の唯一の信仰対象である白潟天満宮に何かその対象が出来ないか、検討がはじまりました。そして、天神さま、学問の神様、頭の神様そして、お年寄りさんには「ボケ封じ」という考えの発展で、白潟天満宮の宮司様の絶大な協力を得て、全国に先駆け「天神様」にお年寄りさんのための「ボケ封じ」の神様「おかげ天神」を建立することにした。この年の8月25日のおかげ天神建立はNHKの全国ニュースでも流れました。

(3)高齢者の皆さんが楽しくショッピングが出来る町
 以上の2点が実現化する見通しがついたので、いよいよ本来の目的である商店街の活性化の検討に入りました。そして、高齢者の皆さんが、楽しくそして安全にショッピングをしていただけるように、歩行者天国の天神様の縁日(「天神市」25日)をスタートさせることになりました。
 商店街独自では、歩行者天国を警察に申請してもなかなか許可が降りないのだそうですが、ここは、(官民一体の)ワーキング会議から行政からの強力な働きかけで、8月25日のおかげ天神建立と同時に、歩行者天国の「天神市」を催すことが出来ました。

 このようなことで、今年は「お年寄りにやさしいまちづくり」をスタートさせて、4年目になりました。現在も、順調に「天神市」は、お年寄りさんを中心にたくさんの人で賑わっています。この「天神市」が始まって以来、各方面からいろいろな事が発展・展開してきました。

 まず、「天神市」自体に確実に来店客数が(お年寄りさんに限らず、小さな子どもたちや家族連れの来店客数が)増えてきました。中には、少し離れた地区の老人会が、バスチャーターでお参りに来られるケースもありました。また、今までなかなか埋まらなかった空き店舗に出店希望が出てくるようにもなりました。

 平成12年には島根大学の法文学部のゼミが、大学生の運営・体験するショップ「おかげ庵」がオープン、その後、これがきっかけで中小学校の体験学習が参加するようになり、毎月の天神市には、子どもたちの賑やかな声が聞けるようになりました。

 平成14年には天神様前のロータリーにきれいな公衆トイレもオープン。さらに、松江市環境課の「まつえエコショップ」もオープン、「お年寄りに優しいまちづくり」に続いて、「環境にやさしいまちづくり」もスタートすることになりました。

 一方、時代を見据えたまちづくりとして、特に、一からの新しいまちづくりを完成させたさせたということに注目され、平成12年頃から、少しずつ県内外からの視察が増えてきました。今では、一ヶ月に平均3件の視察が入ります。

 このような中、特に印象的だったことは、平成13年2月にNHK「ひるどき日本列島」で全国放送に取り上げられたことと。4月には経済産業省の中小企業庁長官が日帰りで視察にお出でになられたことでした。

 今後は、隣町もとりこみ、「お年寄りにやさしいまちづくり」のゾーンを広げていき、また(行政も希望していますが、)5のつく日(5・15・25)を縁日として、開催日を増やしていきたいと希望しています。さらに、現在、お年寄りさんへのサービスの向上のために「お年寄りにやさしいIT網」を作れないかも、検討しています。

 私の体験からの話になってしまいましたが、「今の時代こそ発想の転換が大切である」ということではないでしょうか? 全国的に商店街は衰退の一途をたどっています。そのような状況下で、私たち天神町商店街が、幸いまちづくりに成功したのは、なんといっても行政からの「お年寄りに優しいまちづくり」という提案でした。日本の一番の高齢者県をマイナスと取らず、プラスに取る行政の考え方は、すばらしい「発想の転換」であり、感動しました。そして松江市・商工会議所TMO・天神町商店街役員との毎週のワーキング会議によって、常に「問題意識の統一」と「共同作業」ができ、迅速にこのようなあたらしいまちづくりが実現したのではないかと思います。まだまだ、このまちづくりは進化して行きそうです。
<(協)松江天神町商店街理事長・中村寿夫 2004.5.22>


  

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